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会社をつくる前に、許認可の要件を確かめる

設立したあとで許認可の要件に足りないと分かると、増資や変更の手続きでお金と時間がかかります。

2026年10月に、いまの法令に合わせて内容を見直しました。

この記事のポイント
  • 許認可には、お金・人・事務所の要件があるものが多い
  • 設立したあとで足りないと分かると、増資や役員の変更でお金と時間がかかる
  • 許認可の申請では、会社の事業目的にその事業が書かれている必要がある
  • 設立の前に、下のチェックリストで確かめておくと安心

会社をつくるのは、事業を始めるための「手段」です。ところが、設立の手続きに気をとられて、肝心の事業に必要な許認可のことを後回しにしてしまう方が少なくありません。設立したあとで要件に足りないと分かると、手続きのやり直しに、お金と時間がかかります。

設立したあとで、要件に足りないと分かることがあります

許認可の中には、会社のお金や人、事務所について、細かな要件が決められているものがあります。設立したあとで足りないと分かると、次のような手続きが必要になり、そのたびに登録免許税や報酬がかかります。

  • 増資資本金や純資産の要件に足りないとき。登録免許税は増えた資本金の0.7%(最低3万円)です(増資の手続き)。
  • 役員の変更経験や資格のある人を役員に加える必要があるとき。
  • 事業目的の追加定款と登記簿の事業目的に、その事業が書かれていないとき。登録免許税は3万円です。
  • 本店の移転事務所の広さや設備、使い方の要件に合わないとき。

要件のある主な許認可の例

事業主な要件(一部)
労働者派遣事業基準資産額が2,000万円以上、現金・預金が1,500万円以上(いずれも1事業所あたり)。基準資産額は負債の総額の7分の1以上も必要
有料職業紹介事業基準資産額が500万円以上(1事業所あたり)、現金・預金が150万円以上(2つめの事業所から1か所ごとに60万円を加える)。職業紹介責任者の講習の受講
建設業一般建設業では、自己資本が500万円以上、または500万円以上の資金を調達できること。経営の経験のある常勤の役員、営業所ごとの技術者
宅地建物取引業事務所ごとに、業務に従事する人5人に1人以上の専任の宅地建物取引士。営業保証金1,000万円の供託、または保証協会への加入(分担金60万円)
一般貨物自動車運送事業事業用の自動車5両以上、営業所・車庫・休憩施設、運行管理者と整備管理者、事業を始めるのに必要な資金を自己資金で用意
飲食店保健所の営業許可。施設の基準と、食品衛生責任者
古物商公安委員会の許可。営業所ごとの管理者。役員全員が欠格事由に当たらないこと

要件は改正されることがあります。実際に申請するときは、その時点の役所の手引きで確かめます。

設立の前のチェックリスト

  1. どんな許認可が要るか始めたい事業に、許可・届出・登録が必要かどうか。ひとつの事業に、いくつもの許認可が関わることもあります。
  2. お金の要件資本金・純資産・現金や預金の額に決まりがあるか。最初の決算で要件を満たしている必要があるものもあります。
  3. 人の要件経験のある役員や、資格を持つ人を置く必要があるか。役員の中に、欠格事由に当たる人がいないか。
  4. 事業目的の書き方許認可の申請では、会社の事業目的に、その事業が分かる言葉で書かれている必要があります。
  5. 事務所の要件広さや設備、ほかの事業との区切り、使い方(自宅や賃貸の場合の契約)に決まりがあるか。
  6. 始めるまでの期間許可が出るまで営業できない事業では、審査にかかる期間を見込んで、設立の時期を決めます。
行政書士は許認可の専門家です

行政書士は、許認可の手続きを専門にしています。会社の設立のご相談の段階から、その後に必要な許認可まで見通して、資本金や役員、事業目的の決め方をご提案できます。始めたい事業にどんな規制がかかるか分からないときは、行政規制の調査もご利用ください。

よくあるご質問

許可が出る前に、営業を始めてもよいですか。

許可が必要な事業は、許可が出るまで営業できません。無許可で営業すると罰則の対象になり、その後の許可にも影響します。審査の期間を見込んで、準備を進めてください。

事業目的は、どこまで細かく書けばよいですか。

許認可の申請では、その事業が会社の目的に入っていることが確かめられます。役所によって求められる書き方があるため、許認可を予定している事業は、設立の前にご相談ください。

個人事業で受けた許可は、会社にそのまま引き継げますか。

多くの許可は、個人と会社で別の扱いになり、会社で新しく取り直す必要があります。建設業など、一定の条件で引き継げる制度があるものもあります。

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